8/07/2010

皮が革になるまで(その1)

 

タンニン鞣しの牛革ティーポ3.0mm 革の芯まで染色されて綺麗な色が特徴です

先日、このティーポの工場へ行ってまいりました。



この酷暑の中(屋根はありますがほぼ外です!)大変な作業されていた姿を見て、革が出来上がるまでを数回に分けてご説明しようと思います。そして、少しでも革に対して理解して頂き、また革を好きになって頂ければ幸いです。

10CUBE LEATHERMART事業部のある㈱中村千之助商店も以前はタンニン鞣しの工場を運営しておりました。こうしてBLOG更新している私も水戻し(原皮に水分を与えて、付着している不純物を取り除いたりする革作りの初期工程)から鞣し(なめし)など色々な作業を経験してきましたので、少しはご説明できるかな?と思ってます。


1.原皮のお話

まず原料となる素材はもちろん皮です。原料皮→原皮と呼ばれます。
日本の牛、アメリカの牛、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、インド、バングラデッシュ、パキスタンなどなど人間が牛の肉を食べれば牛皮が、羊を食べれば羊皮、山羊なら山羊皮と地域(気候)、宗教など色々な要因で世界中から原皮は生産されます。
ですから世界中の人がベジタリアンになったら私らの仕事は無くなってしまうかも(笑
その中でも一般的なのは牛ですね。



これは日本の原皮です。白黒なので、乳牛のホルスタイン種。
周りについている白い粉は塩です。腐敗を防ぐために沢山の塩を振って、畳まれて工場に到着します。
この写真はトラックで取りに行ってパレットにおろした状態です。




こちらは北米の原皮です。パレットに畳まれて毛の生えている吟面が中になっています。
そうした方が吟面に影響が少なく良いコンデッションで日本に到着します。
綺麗に畳まれている原皮は品質が良い原皮、つまり良い生地の場合が多いです。

全ての商品、製品には人格が現れますね。

革の販売をしていると客様から「1頭分下さい。」なんて言われる事があります。
通常販売しているサイズは半頭分(半裁)が多いです。
もちろん1頭分で販売できる革もありますが、カーシート用、家具用、太鼓の革などを除いては小さい動物の革は1頭分、成牛は半裁です。
成牛(大きく育った大人の牛)の場合は1頭で5㎡ぐらいなりますから、畳み2畳分以上になり、かなり大きいサイズです。そこで、通常は背中で半分に切って半裁と呼ばれるサイズにします。右側と左側に分けます。この作業はこれから出てくる水戻しなどの工程の後にされることが多いです。


次回はその「水戻し」へ・・・・
 

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